この世界では、物事を沢山知っている方が幸福だと思われています。
沢山知れば知る程望みを叶えられると思われているのです。
大昔から哲学者達は人生に悩んでいました。
あんなに分厚い書物を作ったのは、この世の出来事を知って経験を積めば積む程理解不能な事が増えたからで、「知る」とは新しい疑問を発見する事。
知識が増えれば新しい疑問が増えて「この世には自分が知らない事がまだまだ沢山ある」事に気づく。そして、私もそう思う事がありますが「私はまだまだ何も知らない。何の答えも見出せてない」
と考え込むようになるのです。
古いユダヤの知恵者は言いました。
「知恵が深まれば悩みも深まり、知識が増せば痛みも増す」
それは、円の面積が増えると周囲と接する円周が広がっていくのと似ている。
小さな世界の中にとどまっていれば気づかずに見過ごしてしまう事も世界が広がればはっきりと見えてくるからです。
幸せと不幸はコインの表裏のようなもので知らなければ悩みも葛藤もない。
知れば知識を得た喜びの裏側に新しいな悩みが生まれる。
心が成長するから悩みが増える。
深く考えるようになるから痛みが分かるようになる。
悩み、痛みを知るのは決して悪い事ではない。
知識の量と悩みの深さは「やじろべえ」の両腕の重りだと考えてみること。
「重り」はあまり増やさない方が生きやすいが大切なのは「重り」が昨年より昨日より確実に成長した証であるといつも心の隅に覚えていることです。

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